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暗号通貨投資のバイブル
Alan T. Norman
暗号通貨、ビットコイン、ICO、ブロックチェン、マイニング……わずか数年前にこれらの言葉が出てきた時、人々はこのように言ったものでした。「投資する意味なんてない。価格が低すぎる」「暗号通貨を認める国なんかないよ」「どう見たってねずみ講だろ」「オタクが喜ぶ系だよね」
最近まで、暗号通貨は何かを売買し、新しい通貨がいつかヒットするはずと信じている選ばれた一握りの人たちの一種の娯楽であると見られていました。「大したことないだろ、数年で終わるよ。」
暗号通貨、ビットコイン、ICO、ブロックチェンにマイニング……ほんの数年前にはこれらの言葉を聞くと人々はこう言ったものです。「そんなの詐欺で、ねずみ講だ」「投資する意味なんてない。

価格が低すぎる」「暗号通貨を認める国なんかないよ」「どう見たってねずみ講だろ」「オタクが喜ぶ系だよね」「大したことないだろ、数年で終わるよ。

」最近まで、暗号通貨は何かを売買し、新しい通貨がいつかヒットするはずと信じている選ばれた一握りの人たちの一種の娯楽であると見られていました。

あなたもビットコインや暗号通貨を真剣に受け取らなかった人々のお一人だったのではと思いますが、今起きていることを見れば、最強の懐疑論者すらも口を閉じざるを得なくなっているでしょう。現在、ビットコイン価格は、11,344ドル* です。

最も人気のある暗号通貨の価格は、考えられないすべての記録を繰り返し塗り替えています。時価総額は、世界で約1,200億ドルに上ります。世界有数の経済大国であるインドと日本はビットコインを公的通貨として認めました。米当局は資産として認めています。そして、これは始まりに過ぎません。マイニングは、産業規模となっています。暗号通貨市場は非常に急速に変化しており、状況を監視して自分で正しい判断を下すことはほとんど不可能です。ほとんどの人にはそのための適切な経験、時間や資金がありません。私の本は、虹を追いかけるのではなく、マイニングから投資に至るまで、暗号通貨の分野の1つで長期的な収益性の高いビジネスを構築したい人のために、基本的で非常に広範な情報を提供するものです。

ですから、この本は、違法にお金を稼ぐ、暗号通貨を賛美して最後の1円まで投資するよう勧める、詐欺のテクニックと手っ取り早く稼ぐ方法、退屈で無意味な理論、投資やリスクを取ることなく大金を稼ぐ方法に関する本ではありません。この本は、あなたが暗号通貨市場でお金を稼ぐのに最も適した方法、500ドルしか資金が無い場合にどこから始めればよいか、専門家が出さない暗号通貨に関する情報(バラ色のサングラスは外してくださいね!)、個人戦略の練り方、独自の暗号通貨ビジネスを立ち上げ、2018年早々にまず3千ドルから1万ドルを稼ぐ、といったことを学ぶ一助となるでしょう。
それから、あなたが経済学、金融やテクノロジについて何も知らなくても、主な現在の通貨トレンドが理解できるようになる、あなたが本当に暗号通貨に投資したいかどうかを理解する(この種のビジネスはあなたに全然適していないかもしれず、それがわかれば時間の節約になります)、リスクを確認する方法を学び、すぐ利用できる通貨に投資しないようにする、ということも保証します。私自身の経験から言えば、考えられる失敗から身を守りお金を際限なく無駄に使うというのは、盲目に行うと必然的に起こることなのです。ですから、私が目指しているのは非常に簡単なことです。あなたが暗号通貨の分野の中の一つでビジネスを立ち上げ、発展させていくお手伝いをすること。

どうぞ、今日、7つの投資戦略と2つの完璧な戦略についてぜひ読んでください。

Alan T. Norman
暗号通貨投資のバイブル

暗号通貨投資のバイブル
投資を行うためのブロックチェ–ン、マイニング、トレ–ド、ICO、イ–サリアム・プラットフォ–ム、取引所、主要暗号通貨とお金を稼ぐための完璧な戦略に関する究極のガイド
Alan T. Norman

無料のボ–ナスブック『Bitcoin Whales』を進呈
(入手方法は巻末をご覧ください)
Copyright © 2017 by Alan T. Norman

本出版物のいかなる部分も、出版社の書面による事前の許可なくコピ–、記録、その他の電子的または機械的方法、または情報の保存と検索システムを含む、いかなる形式または手段によっても複製、配布、送信することはできません。ただし、重要なレビュ–の中で表現された非常に短い引用や、著作権法で許可されているその他の非営利的な使用の場合は除きます。

この本を読むべき理由
ほとんどの人は、大きな恐怖、懐疑心、さらには拒否反応すら伴いながら新しい考え方を受け取ります。もちろん、快適ゾ–ンに留まり、踏み慣らされた道を歩き続ける方がはるかに安全です。でも、ある時点で、自分にこう問いかけてみる価値はあるのではないでしょうか。「この道はどこまで続いて行くんだろう?」ほとんどの場合、その道は人生の次のドア止まりでしょう。
動きは進化です。ですから、世界が進化し続ける中で減衰しないようオ–プンな心を持ち続け、新しいことを学ぶべきなのです。このことは私たちの暮らしの多くの領域に当てはまることで、特に個人の財政管理に言えることです。
1つには、紙幣はもはや一般的ではない、と言うことが挙げられます。あなたは、銀行が発行した小さなプラスチックのカ–ドを使用して何かの支払いをする方が、より便利で快適だということに同意されるでしょう。この種のキャッシュレス決済は、セキュリティ上の理由からもはるかに優れているのです。
少し前、人類は、完全に新しいタイプのお金を発見しました。デジタルマネ–または暗号通貨と呼ばれるものです。これは、暗号化ソフトウェアを使用して生み出された新世代の通貨です。暗号通貨の単位は、アルゴリズムによる暗号化によって形成そして保たれています。
暗号通貨が解決できる問題の種類に少し注目してみましょう。これは本書全体で取り上げていく問題ですが、今は信頼という概念に注目したいと思います。暗号通貨が解決するのはまさにこの重要な問題なのです。私の人生で起きたことを使って説明しましょう。
私は在学中にビジネスを興して、お金を稼ぎたいと思いました。3人の学友たちとお花を売り始めたのです。一人ひとりが昔ながらのノ–トに自分の収入に関する情報を書いて回覧していました。ノ–トが私の所に回ってきたとき、すごくアイスクリ–ムが欲しくて、 自分の利益について、書かれた数字が変えられたらいいのにと思ったのです。でも自分を諌め、こう考えました。「もし友達が同じことをしたらどうなる?」つまり、親しい友人間でも不信が生じる可能性があることは明らかです。暗号通貨は、一旦システムに保存されると何かを追加したり、変更したりすることができないため、この問題を解決してくれるのです。
しかし、信頼の大きな問題を解決する暗号通貨の出現は、彗星の爆発だとか、天からの贈り物だとか、その他お伽話の始まりのように取り扱われるべきではありません。事実、暗号通貨の創造はもっと単純なことなのです。
まず、「EXAMPLE」など、対応するテクノロジ–が登場し、それらをベ–スに暗号通貨が登場し、それにマイニング(暗号通貨の生成)が続きました。その後、ト–クン、ICO、様々な暗号通貨のビジネスモデルが、このエコシステム全体をベ–スとして生まれました。不正操作から保護するレジストリ(デ–タベ–スリポジトリなど)は、暗号通貨経済における初期のテクノロジ–となりました。そのようなレジストリには、1つの小さな(またはかなり大きな)特殊性があります。このデ–タベ–スには任意のデ–タを入力できますが、偽造することや過去の情報を入力したりすることはできません。これらの自己執行契約は、暗号通貨の世界で2番目に重要な技術です。それらはデ–タベ–スにしっかりと編み込まれているのです。
先に書いた『Mastering Bitcoin for Starters』の中で基本について説明しているので、本書ではこのテクノロジ–すべての背後にある細かなことについて、詳しく説明しません。代わりに、暗号通貨の機能、上位10位の暗号通貨、暗号通貨取引所そしてデジタル通貨取引所とは何かについて説明していきます。また、ブロックチェ–ン、イ–サリアム・プラットフォ–ムの技術的な実装や、暗号通貨の世界にある多くの問題についても説明します。賢い投資戦略を多く概説していますので、こちらが最も興味を持っていただける箇所ではないでしょうか。
まず、暗号通貨市場は生き物であり、変化しているということを警告しておきたいと思います。24時間休むことなく動いているのです。ですから、本書を執筆している時点で最新の情報が、お読みいただいている時には目新しいものでなくなっている可能性があります。本書の中で、時代に後れを取らないよう、参考にしていただけるリソ–スをお勧めしています。
最後に言っておきたいことですが、読者の中には暗号通貨に懐疑的な方もいらっしゃると思います。 あらゆる新しいアイディアには、ある程度の懐疑的な見方を保ちつつ対峙すべきである、ということには賛成ですが、同時に合理的でもあるべきです。そこで、暗号通貨に関して性急に結論を求めるのではなく、本書を熟読していただき、ここで共有している情報を分析されることをお勧めします。ということで、暗号通貨に関する判断はとりあえず「コ–ルド・ストレ–ジ」にしまっておいてください。
暗号通貨の世界に突入する準備は整っていますか?それでは出発しましょう!

第1章. 暗号通貨に関する神話と暗号通貨市場の主なル–ル

では、暗号通貨ビジネスの目標を設定する前に、暗号通貨に関する一般的な誤解をいくつか見てみましょう。

暗号通貨神話
正直に言いますが、私自身、色んな人が暗号通貨は無謀なベンチャ–だの、ねずみ講だなどと散々怖がらせてくれたお蔭で、当初は疑念を抱きかけていました。このような間違った考えで沢山の人が成功の可能性を閉ざしてしまっているのです。ごく少数のこだわり屋だけが、盲目的にそれらを信じるのではなく、その内容を検証するのです。
暗号通貨を認める国なんてないんだから未来はない、ともお聞きになったことがあるでしょう。これに反証するには?このところ暗号通貨の価値が上昇していることを見れば十分でしょう。既に支払手段として暗号通貨を認めている国もあります。ですから、いわゆるこの「オタクの娯楽」は、投資銀行や様々な企業にとって非常に現実的なビジネスへと進化しているのです。
そこで、もしあなたが、暗号通貨で稼げていないなら、疑似専門家から聞いたであろう上記に挙げた色んな意見が要因となっている可能性が非常に高いのです。
沢山の人を中途退場させてしまう意見の例を見てみましょう。

1. 危険すぎる。もし、投資した翌日に暗号通貨が世界的に禁じられたら?
2. 金融の知識がまったくないから自分が何をしたのか分からないと思う
3. 友達・兄弟・隣人が暗号通貨に投資してすべてを失ってしまった
4. 暗号通貨の話題は新しすぎて理解するのが難しい。だから色んなことがはっきりするまで数年待ったほうがいい
これらの発言はすべて、やらないことの言い訳でしかありません。あなたが色んな言い訳を考えている間に、世界中の人々が既にこの市場でビジネスを築き利益を上げているのです。自分にこう問いかけてみましょう。「この人たちより自分が劣っている点は何だろうか?」そして、この市場で既に稼いでいる友人・兄弟・隣人よりあなた自身が劣っているわけではないと気付いたのなら、次にこう問いかけてください。「なぜ今、暗号通貨ビジネスの世界に入るべきなのか?」

暗号通貨ビジネスの世界に今すぐ入るべき理由
そこでこれからこの質問に1つずつ答えていきます。各議論は、なぜこれを「今すぐ」やるべきなのかよく理解できるよう、「現在」と言う言葉で始まります。
まず、現在 、市場での競争はほとんどありません。驚きましたか?本当です。はい、このトピックへの関心は徐々に高まっていますが、全体として、競争は非常に低い状態が続いています。市場がまだまだかなり「未開拓」で、マスタ–されていないのです。理由は、上述したように、ほとんどの人が新しいトレンドやベンチャ–を信頼しない傾向があるためです。
次に、現在、あなたはこの市場で高い利益を上げることができます。暗号通貨の価格は成長・発展段階にありますが、それでも、かなりの金額を稼ぐことができます。リスクを賢く管理している限り、テンポよく利益を上げることができます。
3つ目は、現在、市場には沢山のたかり屋がいます。 彼らはこの市場にやってきて、テ–マを掘り下げることなく、手っ取り早くお金を稼ぐのです。通常、この手の人たちは、そのトピックについて自分自身には実際の経験がない、いわゆる「エキスパ–ト」が率いるピラミッド・スキ–ム(ねずみ講など)からやって来る人たちです。彼らが大金を稼げていた当初、市場が彼らの後押しをしていたことは認めざるを得ません。しかし、最近では、この市場で大金を稼ぎたいならば、真剣に取り組まなければなりません。
4つ目は、現在、市場のリスクは低くなっています。5年前、ほとんどの人は暗号通貨が公式に禁止される日が来ると信じていました。今では、世界中の多くの国で既に暗号通貨の妥当性が認められています。暗号通貨はこれだけモメンタムが増大しているため、もう誰も単純に停止ボタンを押すことができなくなっています。この事実は、さまざまな禁止や制限を恐れずに投資できることを証明するものではないと本当に思われますか?
最後に、暗号通貨市場のゲ–ムル–ルに移る前に、テスラを例にとって暗号通貨の未来を考えてみましょう。現在、テスラのコストは、専門家の予想によると、300年でも取り戻せないくらいかかっていると言われています。では、賢い専門家たちがなぜテスラに高い評価を与えているのでしょうか?その答えを解き明かしてみましょう。
今時の電気自動車は美しくスタイリッシュですが、あまり実用的であるとは言えません。しかし、専門家たちは今そのことについて関心が無いのです。彼らが思い描いているのは、20年か30年後に現実になるような未来です。今、街中を日々走っている普通の車が今後数年そのまま走っているとは想像し難いのです。あなたは未来に古い愛車の姿を思い描かれるかもしれませんが、私個人的には、半分飛行するような、ソ–ラ–パネルや何かもっと洗練された機能を備えた車両が浮かびます。ですから、明るい未来を持ち成功するのは電気自動車であり、テスラは市場を主導する位置を占める可能性が高いのです。
全般的に見て、テスラが今後20年~30年間市場でその地位を持ち堪えることができるか誰もはっきりとわかっていません。ですが、多くの人々がそうなると強く信じており、この信念で皆この会社に投資しているのです。なので、個人的にテスラは20年以内に自動車製造業全体で独占的な位置を占めると思います。
この例はどのように暗号通貨の未来と関連しているのでしょうか。現在、中には暗号通貨を(電気自動車のように)流行の、人の関心を引く、技術的に面白そうなトレンドの無意味なもの、と捉えている人がいます。とはいえ、1つのトレンドです。しかし、今小さな水滴が、将来、大きく圧倒的な海に成長する可能性があるのです。

目標の設定と市場の主なル–ルの特定
新しい分野を開拓する前に、真の専門家たちはゲ–ムのル–ルを学び、目標を設定し、どんな結果を達成したいのか決定します。私たちは専門家ですから、まずこのタスクに取り組むのです。
以下の点は、あなたが自分で設定する暗号通貨の取引目標の中に必ず含めるようにしなければなりません。

● 暗号通貨の分野で毎月投資する具体的な金額または収入の割合を定義する
● リスクに対する準備の程度を定義する
● 短期的および長期的に具体的な目標を定義する
目標を設定したら、暗号通貨市場での順調で迅速な滑り出しに必要なものを理解することが重要です。驚かれるでしょうが、理論はこの分野ではあまり重要ではありません。多くの人が自分にはこの種のビジネスをやるための情報や知識が無いと言います。しかし、これからお話しする戦略の大半には、暗号通貨ビジネスの世界について深い知識は必要ありません。暗号通貨経済の基本的な原則がつかめれば十分です。
では何が問題なのでしょう?実践です。本は必要ありません(私の本ですらも)。どこで売買できるのか、保管方法、送受金方法を理解したければ、役に立つのは実践だけです。
またこれらも必要です。

● 市場参入に向けたいくつかの既製の戦略
● あなたの周りのコンテンツや情報をフィルタリングする機能
● 暗号通貨市場の経験が豊富なトレ–ダ–とのコミュニケ–ションと、彼らの行動を「スパイする」こと
● リスク管理
● 経験豊富なキュレ–タ–による監査
そして次は、思い出すのはこれっきりにしなければならない「暗号通貨市場に投資するのは危険だ」という考えです。まだこれを受け入れる準備ができていないなら、気にしないでください。特定のコインの開発、ICO(これについては後で説明します)の信頼性に関する意見や予想は、偏ったスタンスに過ぎないのです。今後の推移について鉄の保証をあなたに与えることができるような人は世界中に一人もいません。正しい判断や完全な保証などというものは全くありません。私や他の誰かは、あなたにアドバイスをあげることはできても、保証することはできないのです。
各決定について責任を負うのはあなただけです。ある通貨の見通しについて読んだどこかのオンラインリソ–ス、信頼できるICOを勧めてくれた友人、はたまた経済的損失の可能性をお知らせしたこの私のせいにしないでください。本書の著者として私は、信頼できる暗号通貨についての自分の考えを共有します。ですが、これはあくまで私の主観的な意見であり、繰り返しますが、今この瞬間の意見に過ぎません。ですから、失敗の可能性について、ご自身ではなく、他人を非難することになりそうでしたら、すぐこの本を閉じて時間を無駄にしない方が良いでしょう。
暗号通貨市場は生き物で常に変化しています。そこで、暗号通貨取引に取り組む時には、意思決定に個人的な責任を負う事を学び、またリスクを取ることなく利益は得られないと言うことを常に念頭に置いておかなければなりません。はい、リスクの少ない戦略はありますが、いずれの場合にもリスクは存在します。失ってもあまり後悔しない金額を投資してください。
そして現在、本を脇に置いて、決して破ってはならない2つのル–ルを書き出してください。

1. 最後の1円まで投資しないこと。
2. チャンスを活用できるよう、現金を貯めておくこと。
そして最後に、初心者は以下のような安全ポイントを学ばなければなりません。

● 取引所で取引するときは、2要素認証でアカウントを保護し、コ–ドネ–ムを非公開にする
● パスワ–ドの文字数は26文字以上にする。特別なパスワ–ドジェネレ–タが便利かもしれません
● 決して全額を1つの取引所または1つのウォレットに入れておかない
● 実績のある取引所でのみ取引する
● 暗号通貨市場での取引に公衆アクセスポイントを使用しない

第 2章 暗号通貨の基本原則と時代のバットマン

このトピックに入るには、ちょっと回り道をして銀行セクタ–から始めてみましょう。
国に関係なく、現代の銀行システム全体は、私たちが自分のお金を所有しないようなシステムになっています。どの国の中央銀行も法律によって通貨発行権を独占しており、暗号通貨の合法化を確実に妨げています。
「法定通貨」とは、政府の規制または法律によって本質的な価値のない通貨(ドル、ユ–ロなど)をマネ–として指定するため、暗号通貨コミュニティが使っている用語です。
理論的には、この通貨は、その国の全国民が個人のお金を商品に換えられるよう、少なくとも特定の国の領土で生産される物、商品またはサ–ビスなどで担保されるべきです。その国の全銀行は、同じ通貨を引き受け、中央銀行は、安定性と信頼性を維持するよう約束します。これが理論上の機能ですが、実際に通貨の安定を保証することはできません。
国の政府は、国民のための全商品・サ–ビスの主な顧客です。つまり最大の雇用者の一人なのです。また、道路、住宅、病院、学校など建設の最大の顧客でもあります。これは、特定の国のGDPの大部分を占めています。したがって、政府は国民の生活を確保し、年金および社会的給付を支払います。これらの資金はすべて、通貨を発行し、政府に融資することができる中央銀行から出てきます。
量的緩和 (https://en.wikipedia.org/wiki/Quantitative_easing)と呼ばれる政策は、かつて米国で実施され、その後ヨ–ロッパや日本にまで広がりました。この出来事により、世界の通貨量は大幅に増加しましたが、ドルの購買力は過去100年間で95%減少しています。この傾向は続いています。 お金が多くなれば、価値は下がるのです。
それぞれの通貨でインフレが発生することを覚えておくことが重要です。これは、ある期間にわたる通貨の下落を示しています。言い換えれば、インフレはお金の循環の速度です。国の経済には、人々がロ–ンを利用して返済するという独自の循環があります。
これらのロ–ンに言及しない訳にはいきませんね。米国では、ロ–ンの金利は平均1%です。過去には長くゼロ水準に留まっていた期間がありました。中央銀行は通貨を発行して金融資産を買い、その結果、貧しい人は貧しいまま、金融資産・株式・不動産などを所有していた人は恒常的に利益を上げました。それが危機のたびに貧困層がさらに貧しく、富裕層がより金持ちになる理由です。これらのプロセスは、非常に強力な人口の階層化をもたらすのです。しかし、悲しいかな、経済はこのように機能しており、多くの金融アナリストが述べているように、私たちは一種の行き止まりに近づいています。これらすべては、中央銀行がその機能にうまく対応していないことを示しています。
そこで人々は、お金の価値を維持するため、代わりの方法はないかと探し始めました。増えないまでも、少なくとも失うことはない方法を。それが、多くの人が金・債券・株式などに投資している理由です。同時に、インタ–ネットの登場で経済が急速に発展し始めたため、人々はもはや物理的な形でお金を保持する必要がない、ということにも気づきました。そして、電子マネ–の概念が浮上したのです。


ビットコインのようなデジタル通貨を作るという考えは完全に新しいものではありません。それでも、ビットコインと他のタイプのデジタルマネ–との間には違いがあります。PayPal、Western Union、Skrillなどの電子マネ–システムを使用していれば、あなたの資金は同じ会社に保管されます。この場合、資金は集中管理されるのです。つまり、あなたのお金の運命は、これらの会社の特定の人々の決定にかかっているということです。これらの決定にあなたが影響を与えることはできません。

暗号通貨の利点
暗号通貨はかなり異なっています。この分散型通貨は、単一トランザクション処理センタ–からの独立性が特徴です。暗号通貨取引を追跡することは非常に難しく、キャンセルすることは不可能です。このタイプの通貨を使用すると、2人の人が金融取引センタ–を用いることなく、インタ–ネット上で直接売買取引を行うことができます。
では、法定通貨に対する暗号通貨の利点について詳しく説明しましょう。これらの利点は明らかです!

● 発行および流通基準:暗号通貨は一度確立されれば不可侵ですが、法定通貨の基準は中央銀行によって任意に変更されます。
● 発行が実行される:暗号通貨はネットワ–クから参加者へと流れ、法定通貨は中央銀行から銀行へ、銀行から企業へ、そして企業からのみ参加者へと流れます。
● 資金のフロ–: 暗号通貨は直接、法定通貨は銀行、支払システム、現金
● 市場参加者数:暗号通貨は500万人、法定通貨は70億人
● トランザクションスピ–ド:暗号通貨は高速で、 法定通貨は遅い
● 匿名性:暗号通貨では常時可能、法定通貨の現金を取り扱うときに時々可能
● インフレ–ション:暗号通貨のみでは不可能、法定通貨では一定の現実
● レ–トのボラティリティ:暗号通貨では間違いなく高く、法定通貨は低い

ビットコインの発明者、そして彼がこの時代のバットマンである理由
2008年の世界金融危機の最中、サトシ・ナカモトと名乗る人物が ビットコインを設計し、独自のリファレンス実装を作成しました。彼はネットワ–クを立ち上げた最初のビットコインソフトウェアと、ビットコイン暗号通貨の最初のユニットを公開しました。ビットコインは、他のすべてのデジタル通貨とは大きく異なる新しいタイプのデジタル通貨となりました。主な違いは、分散化されていることです。よって、各参加者がその運命に影響を与えることはできません。
以下の疑問が出てきます。ネットワ–クには沢山の人がいてお互いを知らないため、信頼し合えないのは当然です。では、どうすれば支払いが確実に行われ、お金が盗難されるのを防ぐことができるのだろうか? ところが、そのような疑問点はサトシ・ナカモトが事前にすべて考え抜いており、私も『Mastering Bitcoin for Starters』という本の中で丁寧に説明しています。敢えて言うなら、ナカモトの分散型通貨に対するビジョンは真実であり、多くの問題を解決するものであると言えるでしょう。
ところで、サトシ・ナカモトの正体は依然謎のままです。サトシ・ナカモトは、個人ではなく、グル–プであると信じている人もいるため、それを明らかにしようとの試みが何度か行われましたが、いずれも成功していません。

第 3章 ビットコインとマイニング

ビットコインの本質を解明するには、マイニングのテ–マに少し突入しなければなりません。投資戦略としてのマイニングについては後ほど説明しますが、ここでは、ビットコインの出現という観点からのみ見て行きます。
数年前、多くの人がマイニング、暗号通貨またはビットコインの生成を一種の趣味と見なしていました。有名なピザ事件が起きるまで、多くの人がそのゲ–ムをプレイしていました。その日は、暗号通貨コミュニティの中ではビットコインピザの日として知られています。2010年5月22日に、あるプログラマ–が、2枚のピザの代金を、仲間のビットコイン・フォ–ラムのユ–ザ–に1万ビットコインで支払ったのです。当時、ビットコインの価値はほぼありませんでした。この2枚のピザの価格は約25ドルでした。(2017年10月)現在、1ビットコインは5,000ドルを超えています。この2枚のピザがどれだけ高いのか簡単におわかりでしょう。


ビットコインが現実の社会に初めて登場したのはその時なのです。


このチャ–トを見ると、ビットコインの上下動がわかります。しかし、2016年以降数倍に跳ね上がっています。
ビットコインは、その価値が拡大し始めたときに、最初に産業規模でマイニング(採掘)されました。まず、コンピュ–タのデ–タ処理能力を利用してビットコインがマイニングされました。その後、マイナ–(ビットコインをマイニングする個人や事業者)たちはグラフィックカ–ドを使用してブロックを形成し始めました。現在では、ASICと呼ばれる特殊な危機を使用しています。その最大規模のファ–ムは現在中国にあります。

マイニング・プロセスの仕組み
マイニングとは、新しい暗号通貨やビットコインなどを生成するプロセスを言います。ではマイニング作業のやり方を整理してみましょう。例えば、自分のウォレットから別の人のウォレットにお金を送金する場合、そのトランザクションは、いわゆる「mempool(メモリプ–ル)」に留め置かれます。ビットコインのメモリプ–ルは、ネットワ–クの承認を待っている全トランザクションの集まりです。マイナ–たちは、独自の原則に基づいて特定のブロック内のトランザクションを収集し、それらをブロックチェ–ンに挿入しようとします。ブロックチェ–ン内の各ブロックは、10分ごとに生成されます。


ビットコインのトランザクションは、私たちにはこのように見えます。


コンピュ–タには、このように見えます。


マイナ–は、ブロックをマイニングすることに対して報酬を受け取ります。現在、報酬は12ビットコインです。つまり、あなたがシステムに上手く形成されたブロックを積むことができれば、そのような報酬を得ることができます。ところで、世界初の(Genesis)ブロックは、サトシ・ナカモトが生成しています。誰でもそれを見つけ、50ビットコインを手に入れることができます。現在、マイニングの報酬額は下がりつつあります。2140年までに極小値まで落ちると言われています。
ある時、マイナ–たちは、単独でマイニングするのは利益にならないということに気付きました。このようなブロックを見つけられる可能性は、「ハッシュレ–ト」またはマイナ–のマシンの強力さによります。特定の許容値の下で、例えば、自分のハッシュレ–トが全体の10%である場合、そのようなブロックを10%の確率で見つけ報酬を得ることができるのです。なので、自宅でノ–トパソコンだけ使ってマイニングする場合、絶対新しいブロックは見つかりません。そこで、より安定した報酬を得るために、マイナ–たちはいわゆるマイナ–プ–ルで団結するのです。彼らはつないだハッシュレ–トを使い、より安定した利益を得ています。
現在、多くのマイナ–たちはこう考え始めています。ビットコインを買えるのに、なぜマイニングする必要があるのか?と。ビットコインの価値は、それを使用する人々の信念によってのみ決定され、そのコストは需要によって決定されるというのもグッドアイディアです。だれもあなたからビットコインを買わなければ、何の費用もかかりません。ですから、人々がこのテクノロジ–を、匿名で使う機会であるとか、多額の支払いをする機会であると捉える限り、ビットコインの価値は上昇するのです。
私は先に書いた『Mastering Bitcoin for Starters』という本の中で、このトピックを取り上げているので、ビットコイン自体についてこれ以上詳しく触れません。とりあえず、それでもいくつかの疑問が残るビットコインの利点を見て行きます。
最初の利点は、トランザクションコストの低さです。しかし、ビットコインはマイクロペイメント(少額決済)には不十分であることを心に留めておかなければなりません。誰かに100万ドル送金する場合、1ペニ–の手数料がかかります。ですが一杯のコ–ヒ–を支払うことにした場合、料金はコ–ヒ–のコストに比べ高くなります。
2番目の利点は、高速な取引処理です。ここにも少し障害があります。実際、ブロックチェ–ンのすべてのブロックは10分ごとに生成されます。つまり、最速のトランザクションに10分かかるということです。2〜4日かかる銀行でのSWIFT送金と比較すると、これはかなり速いようです。ただし、VisaやMasterCardの方がはるかに高速です。ビットコインよりも単位時間あたり数万倍のトランザクションを処理できます。ビットコインよりも高速になるよう開発された他のタイプの暗号通貨が現在存在していることは注目に値します。
3番目の利点は、参加者の疑似匿名性です。誰でもネットワ–ク上の全トランザクションを追跡できることを既に学びました。ウォレットの正確な所有者がわかっている場合は、ウォレットから実行されたすべてのトランザクションを完全に追跡できます。したがってビットコインは完全に匿名であるとは言えません。アドレスと個人をマッチさせることができれば、匿名性は消えます。しかし、いわゆる「インタ–ネット・ハイジ–ン(サイバ–衛生)」状態、つまり、ウォレットを誰にも見せない場合は、基本的にトランザクションを追跡することはできません。ただし、ビットコインよりも匿名性の高い暗号通貨が他にもあることに言及しなければなりません。
ところで、あなたがビットコインのネットワ–クでトランザクションを行うときに匿名性を維持したいのであれば、既に可能なのです。あなたのビットコインを洗うサ–ビスはたくさんあります。それらは「ミキシングサ–ビス」と呼ばれ、資金の大元をわかりにくくするため、ある人の資金を他の人のビットコインと混合するために使われています。おわかりのように、暗号通貨の匿名性を高める新たなテクノロジ–が登場しているのです。
そして、最後に、現在、世界中で1,600万BTCを超えるビットコインが流通しており、今後合計2,100万BTCが採掘される予定です。このような数値は、ネットワ–ク自体のアルゴリズムによってプログラムされます。ビットコインの数量には限度があるため、インフレは起き得ません。特定の量のみ発行されるため、時間の経過で減価することはありません。ビットコインにはデフレモデルさえあります。多くの人が、ウォレットのパスワ–ドを忘れたり、間違ったアドレスにお金を送ったりして、コインを失うのです。よってビットコインの数量は徐々に減少していきます。



Proof of Workとその重要性
トランザクションが本当に真実であるかをどうやって確認するのか、マイナ–が誰も騙していないことをどうやって確認するのか、適切なブロックを選択し、実際にブロックチェ–ンを構築するためにどうすべきなのか、ということがビットコイン・ネットワ–クの最大の問題です。これらの問題はすべて、「コンセンサス・アルゴリズム」で解決できます。


Proof of Work(プル–フ・オブ・ワ–ク)プロトコルは、マイナ–が正しいナンスを見つけて、ハッシュをうまく取得するために膨大な作業を行うということを確認します。必要なものを見つけるには多くの時間を要するのです。詳しく説明しましょう。
ブロックの難易度は2016ブロックごとに調整され、特定のハッシュの先頭にあるゼロの数によって決まります。ハッシュ自体を探すのは難しくないのですが、特定の数のゼロを持つハッシュをうまく見つけるのは大変です。前のブロックのハッシュやタイムスタンプ、トランザクションデ–タがある場合、ここから新しいハッシュを作成し、このブロックを処理するのはとても簡単なように思えます。ところが、ブロックのハッシュに一連の先行ゼロが含まれるよう値が設定されているナンスを見つける必要があります。それには相当の時間がかかります。マイナ–たちはこのハッシュを上手く見つけられると、ブロックチェ–ンにブロックを送信します。つまり、彼らは作業を終えており、すべてのトランザクションを確認しているのです。ですから、そのような作業をするのは非常に困難なため、誰かを騙すことは無意味なことなのです。
その後、すべての情報がノ–ドに配布されます。まず、あるマイナ–が1つのノ–ドを送信します。例えば、ポイントAからポイントBに送金した人が本当にそのお金を持っていたかのチェックを実行することができます。つまり、すべてのトランザクションが有効かどうかのチェックです。次に、ノ–ドはこの情報を相互に交換し始め、ブロックが形成されるのです。
理論上は、2人のマイナ–が1つの同じブロックを作成する可能性があります。ブロックチェ–ンは、どのブロックがより良いのかということをどのように選択するのでしょうか?最初の原則はスピ–ドです。第2の原則は、ハッシュの「成功」です。よって、ハッシュの「成功」は、マイナ–がプル–フ・オブ・ワ–クプロトコル内で行う取り組みそのものなのです。
「成功した」ハッシュを選択する必要があるもう1つの理由は、ネットワ–クの難易度の調整です。マイナ–の数が増えれば増えるほど、ネットワ–ク難易度が上がります。つまり、トランザクションをより迅速に処理できるのです。マイナ–たちのブロックを見つける速度が落ちれば、難易度は下がります。
複数のマイナ–がネットワ–ク上に同一のブロックを作成する場合の状況を解決する方法について、もう少し説明します。ブロックチェ–ン・コンセンサスの本質は、ブロックの最も長いチェ–ンが公正であると見なされることです。ブロックがあなたのものとは異なる方向に構築され始めた場合、最初のブロックは再び未確認トランザクションのプ–ルに分類されます。これは、ネットワ–クが過負荷となっている場合によく発生します。したがって、次のブロックがあなたのブロックの真下に構築され、報酬を得られることを確認するには、あなたのブロックの後にさらにいくつかのブロックが形成されるまで待ちます。5つ以上のブロックが形成されていれば、お金は間違いなくあなたのものです。


前のサブセクションの最後で、ビットコインの長所について説明しました。次に、ブロックチェ–ンの短所、つまり51%攻撃または二重支払いと呼ばれるものについてみて説明します。
どのマイニングプ–ルも、このプ–ル内で次のブロックを生成する確率が51%となるようにこのような取り組みを統合することができます。暗号通貨コミュニティではあるとき、中国のマイニングプ–ルのメンバ–がシステム内で新規メンバ–を人為的に制限し、約6ブロックを連続で生成していたことがありました。 この事件があってから、取引の確認には10分ではなく1時間待たなければならないということがはっきりしました。つまり、5つのブロックを作成し、それぞれが10分間形成される場合、5を掛けて50分となるのです。

第 4章 ブロックチェ–ン

ブロックチェ–ン技術の背後にある技術的な詳細に入る前に、ブロックチェ–ンが解決する問題を理解することが重要です。ブロックチェ–ンが必要な理由と、ブロックチェ–ンにできて、現在のテクノロジ–ではできないことは何でしょうか?
ビットコインやブロックチェ–ン技術を最初に採用した人たちは、トランザクション、信頼、社会制度に関する私たちの考え方の根本的な欠陥と考えられる点について指摘しました。ブロックチェ–ンの最も初期のバ–ジョンは、2007年に米国で発生した金融危機とほぼ時を同じくして発生しましたが、それは多くの人々が、一般の人の利益を保護するはずである社会制度に対する信頼を失っていた時期でもありました。もちろん、人々は危機発生後金融システムに幻滅したのですが、金融市場を規制する政府や、潜在的な危機を調査すべき報道機関への信頼も失ったのです。
大半の人は、社会制度には欠陥があり、完全な解決策などないと言うことに同意されるでしょう。ですが、それらは信頼の問題を解決し、何百年もの間取り組みを行ってきました。実際、私たちは恐らく、人類の歴史の中で、最も平和で居心地の良い時代に生きていると言えるでしょう。現在の制度に代わるものには、明らかな利点と強みが必要になります。
ブロックチェ–ンの背後にあるアイディアは、不完全な人間によって運用されている制度を、より良い仕事をすることができ、個人に力を与えることができるテクノロジ–に置き換える、ということです。銀行や政府を仲介者として必要とせずに、見知らぬ人がお互いを信頼する方法を生み出すことができれば、社会最大の障害に対応することができるのです。しかしそのためには、見知らぬ人同士でコンセンサスを形成するための強力なシステムが必要です。ブロックチェ–ンの作成者たちはその力を「非中央集権型」の中に見ているのです。
基本的に、ブロックチェ–ンのアプリケ–ション(およびその他暗号技術)はすべて、非中央集権の概念を基本としています。ブロックチェ–ンは、決定を下し、関係を統治する堅固で遅い中央当局の代わりに、規制力を個人に戻すことを目指しています。主要機関を信頼する代わりに、ブロックチェ–ンはコンセンサスを通じて信頼を築くのです。

ブロックチェ–ンの仕組み

簡単に言えば、ブロックチェ–ンは暗号と公開台帳の組み合わせを使用して、プライバシ–を維持しながら当事者間の信頼を確立しています。これがどのように機能するかというメカニズムを理解するのは少し難しいのですが、ブロックチェ–ン・テクノロジ–の背後にある特質を完全に理解するには、技術的な詳細に没入する必要があります。
ブロックチェ–ンにはもっと多くの機能を含めることができるのですが、基本となるのは以下に挙げるテクノロジ–名の中にあります。
ブロック:特定の期間のトランザクションのリストのことです。過去数分内にネットワ–ク上で処理されたすべての情報が含まれています。ネットワ–クは一度に1つのブロックのみを作成します。
チェ–ン:各ブロックは、暗号化アルゴリズムを使用する前にブロックにリンクされます。これらのアルゴリズムをコンピュ–タが計算するのは難しく、世界最速のコンピュ–タでも解決するには数分かかることがよくあります。いったん解決されると、暗号チェ–ンがブロックを所定の位置にロックし、変更できにくくします。これについては、すぐに詳しく説明します。
チェ–ンは時間の経過とともに長くなっていきます。新たなブロックが作成されると、ネットワ–ク上のコンピュ–タが連携して、ブロック内のトランザクションを検証し、チェ–ン内のそのブロックの場所を保護します。
ブロックチェ–ンの最も基本的な部分は台帳です。ここにネットワ–ク上のアカウントに関する情報が保存されます。ブロックチェ–ン内の台帳は、銀行や他の機関の元帳に代わるものです。暗号通貨の場合、この台帳は通常、口座番号、トランザクション、残高で構成されています。トランザクションをブロックチェ–ンに送信すると、通貨がどこから来てどこへ行くのかに関する情報が台帳に追加されます。
ブロックチェ–ン台帳は、ネットワ–ク全体に分散されています。ネットワ–ク上のすべてのノ–ドは、台帳の独自のコピ–を保持しており、誰かが新しいトランザクションを送信したときにそれを更新します。この「共有台帳」こそ、ブロックチェ–ンが銀行や他の機関に取って代わろうとする方法なのです。銀行に元帳の正式なコピ–を1つ保持させる代わりに、誰もが独自の台帳のコピ–を保持し、合意に基づいて取引を確認します。
各ブロックチェ–ン・テクノロジ–には独自の台帳があり、いろんな台帳がそれぞれ異なった動作をしています(後で説明します)。しかし、最初のブロックチェ–ン台帳であるビットコイン台帳では、トランザクションをリストするのに必要な情報は、以下の3つです。

1. インプット(入金):ジョンがデビッドにビットコインを送信したい場合、まずネットワ–クにそのビットコインをどこで入手したのか伝えなければなりません。昨日サラからそのビットコインを受け取ったのだとしたら、台帳の最初のところにそう書き込みます。
2. 取引量:ジョンがデビッドに送りたい数量です。
3. アウトプット(出金):これはDavidのビットコインアドレスであり、ビットコインを入金する場所です。
ここで理解するのが難しい概念が出てきます。ビットコインといわれるものはないのです。もちろん、物理的なビットコインはありません。そんなことは既にご存知かもしれません。しかし、ハ–ドドライブのどこかにビットコインがあるわけでもありません。ある物体やデジタルファイルやコ–ドの一部を指して、「これがビットコインです」と言うことはできないのです。そうではなく、ビットコインのネットワ–ク全体が一連のトランザクションレコ–ドに過ぎません。ビットコインの履歴におけるすべてのトランザクションは、ビットコイン・ブロックチェ–ンの分散型台帳にあるのです。20ビットコインがあることを証明したい場合、それを行う唯一の方法は、それらの20ビットコインを受け取ったトランザクションを指し示すことです。
ほとんどすべてのブロックチェ–ンには、この特徴があります。トランザクション履歴が通貨なのです。2つの間に違いはありません。一部の新しい暗号通貨は、トランザクションにおいてより匿名性とプライバシ–を高めるため、台帳の記述方法を変更しています。特定のIDマスキング技術を使用し、機能的な分散型台帳を維持しながら、トランザクションの送信者と受信者を隠しているのです。

ブロックの生成
台帳はブロックの中核ですが、新しく作成されたブロックに入るのはそれだけではありません。すべてのブロックに必要なヘッダ–とフッタ–があります。さらに、ブロックに含まれるトランザクションは、それらを圧縮、エンコ–ド、標準化するプロセスにかけられます。検証機能が新しいブロックを作成するとき、元の台帳とは完全に異なって見えます。ただし、元となる台帳はまだ存在しており、将来、新しいトランザクションが前のブロックに関する情報を必要とするときにアクセスすることができます。

トランザクションの追加
ブロックを構築する最初のステップは、現在のすべてのトランザクションを収集してブロックの台帳に追加することです。ユ–ザ–が新しいトランザクションを作成すると、そのトランザクションがネットワ–ク全体にブロ–ドキャストされます。次に検証者のコンピュ–タが有効性を確認するためにトランザクションをレビュ–します。
ブロックチェ–ンの通貨は一連のトランザクションにすぎないため、トランザクションを確認する最初のステップは、送信者が元々お金を受け取ったと言っている場所を調べることです。次に、検証者はブロックチェ–ンの履歴を確認し、送信者がお金を受け取ったブロックとトランザクションを見つけます。その入力トランザクションがブロックチェ–ンで確認された場合、トランザクションは有効となり、受信者のアドレスを確認する必要があります。入力トランザクションが確認できなければ、現在のトランザクションは無効となり、台帳に含められません。
そのブロックの全トランザクションが確認されたら、台帳を作成します。トランザクションが次々とリストされる簡単な例を示してみましょう。

[Input][Amount][Output address], [Input][Amount][Output address], [Input][Amount][Output address], [Input][Amount][Output address], [Input][Amount][Output address]…
*Input:インプット(入力=送付元)
Amount:取引量
Output address:アウトプット(出力=送付先)アドレス

次に、検証者は、ハッシュと呼ばれる暗号化技術を各トランザクションに適用します。「文字列を受け取り、別の文字列を生成すること」がハッシュの最も基本的な定義です。したがって、インプット、取引量、アウトプットアドレスをハッシュ・アルゴリズムに渡すと、トランザクションは次のようにそのトランザクション固有の文字列に変換されます。
aba128d3931e54ce63a69d8c2c1c705ea9f39ca950df13655d92db662515eacf
(これはビットコイン・ブロックチェ–ンからの実際のトランザクション・ハッシュです。)
したがって、ハッシュはデ–タが改ざんされていないことを確認しながらデ–タを標準化するために使用されます。誰かがブロックチェ–ンのトランザクションを変更しようとした場合、そのトランザクションを再ハッシュする必要があり、そうすると見た目が完全に変わります。改ざんされているのが明らかになるのです。
ブロックチェ–ンの改ざんをさらに困難にし、トランザクション台帳を格納するために必要なメモリを削減するため、大抵のブロックチェ–ンは複数回ハッシュを行います。つまり、トランザクションのハッシュを取得し、それを別のトランザクションのハッシュと結合し、それを新しい小さなハッシュに再ハッシュします。このようにトランザクションを繋げることは、「マ–クルツリ–(木)」と呼ばれ、全トランザクションのル–トハッシュはブロックヘッダに含まれます。マ–クルツリ–がなぜ必要なのかを理解することは、もっと詳しい本で書かれる内容なのですが、基本的なレベルでは、マ–クルツリ–は、長期的により少ないメモリ使用量でブロック内の全トランザクションが正しいことを検証できるようにします。

タイムスタンプとブロックID
ブロックの最後の要素は、タイムスタンプとブロックId情報です。これにより、後で前のブロックを簡単に検索することができます。この先のトランザクションも、現在のトランザクション(「コインベ–ス」ともいう)を含むブロックとして、このブロックIDを指すことができます。

ブロック同士を繋げる
ブロックを作成する最後のステップは、ブロックをチェ–ン内の前のブロックに繋げることです。この方法はいくつかありますが、事実上すべての方法で、前のブロックのコンテンツを新しいブロックの一部にするため何らかの方法でハッシュを行う必要があります。
ハッシュは、大小にかかわらずインプットを受け取り、それを文字列に変換することに注意してください。インプットを少しでも変更すると、アウトプット全体が変更されます。新しいブロックに前のブロックの内容を含めるには、前のブロック全体のハッシュを取得して、次のブロックの先頭に追加します。そうすることで、古いブロックを新しいブロックに効果的に繋げたことになります。古いブロックで何かが変更された場合、たとえ微細な変更でも、ブロック全体のハッシュが変更されるためです。
次に、ブロックが完了すると、それを変更することは非常に難しくなります。古いブロックを編集すると、そのブロック全体を再ハッシュしなければなりません。ブロック1のすべてを再ハッシュしたら、オ–プンなブロック2をクラックして、ブロック1の古いハッシュを削除し、ブロック1の新しいハッシュを挿入して、ブロック2のすべてを再ハッシュする必要があります。ただし、新しいブロックは常に作成されているため、古いトランザクションを変更するには、トランザクションが発生した後にすべてのブロックを編集する必要があります。時間が経過するほど、ネットワ–クをハッキングしてトランザクションを正常に変更することが難しくなります。これが、ハッシュがブロックチェ–ン・セキュリティの中心にある理由です。暗号化により、トランザクション台帳を変更することが困難になります。台帳を公開すると同時に安全にすることができるということです。
しかし、ハッシュすること自体はそんなに難しくはありません。数秒あれば大抵のコンピュ–タでブロックチェ–ンを再ハッシュすることができます。そのため、ハッシュセキュリティが機能することを保証するため、新しいブロックの作成に難易度を導入する必要があります。理想的には、攻撃者の速度を落とし、ネットワ–クの正直なメンバ–が勝つ可能性を高めるものでなければなりません。ビットコイン・ブロックチェ–ン(および他の大半の最新ブロックチェ–ン)においては、強化された難易度は「プル–フ・オブ・ワ–ク(PoW)」と呼ばれます。
ここではプル–フ・オブ・ワ–クの説明はしませんが、基本的な説明は第3章で取り上げています。また、このテクノロジ–の背後にある詳細については、 『Blockchain Technology Explained』で説明しています。

第 5章ウォレットまたはビットコインを安全に保管する方法

暗号通貨を扱う人々は、ウォレットを安全な預け入れ先として、また入金および出金の手段として使用しています。利用可能なウォレットのタイプを分析し、あなたのコンピュ–タのリソ–スとタスクに基づく最適なウォレットを選択しましょう。
ウォレットには、ホットとコ–ルドウォレットがあります。またウォ–ムウォレットというものもあるのですが、使用される頻度はあまり高くありません。コ–ルドウォレットはお金を保管するために使用され、ホットウォレットは通貨をすばやく送受信するために使用されます。
原則として、ウォレットには秘密鍵と公開鍵があります。秘密鍵はあなたのみが所有し、誰にも見せてはなりません。すべてのトランザクションはこの鍵で署名するので、それを覚えておかなければなりません。同時に、だれかが公開鍵を使用して、例えば、フェラ–リの新車を買うためにあなたの口座に送金することもできるのです このような場合には、この人に公開鍵を渡さなければなりません。この鍵は、ソ–シャルネットワ–クで公開することもできます。ここで心配する必要はありません。


bitcoin.org (https://bitcoin.org/en/)でウォレットにはどのような種類があるのか調べることをお勧めします。


検討するにあたりBitcoin Сoreがウォレットの第一候補となるでしょう。これは、伝説のビットコインクリエイタ–、サトシ・ナカモトのオリジナル・ビットコイン・ウォレットです。これは、専門家たちのビットコイン・コミュニティによって常に更新され、コンピュ–タにビットコインデ–タベ–ス全体を保存し、ネットワ–クを自動的にサポ–トする、唯一公式にサポ–トされているウォレットです。Bitcoin Coreは、非常に安全で使いやすいウォレットです。しかし、このウォレットをコンピュ–タにインスト–ルすることはお勧めしません。最初の同期には非常に長い時間がかかり、完全に同期されたウォレットのサイズは100 GBに達しますが、これは大きな欠点です。

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